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栃木県土木遺産「中橋」の移設工事が竣工しました

 足利市の渡良瀬川に架かる「中橋」は、3連の下路ブレースドリブタイドアーチ橋で、昭和11年(1936年)に建設されました。中橋周辺の堤防は、水害の危険性が高い水防箇所となっており、堤防かさ上げ及びそれに伴う中橋の架け替えが必要となりました。架け替えに伴い、地元市民の多くの要望から現在の3連アーチ橋を存続することになり、当社と東綱橋梁株式会社の共同企業体で移設工事を請け負い、6月20日に無事竣工しました。

全景

全 景

〈足利市 中橋 3連アーチ移設プロジェクト〉
  移設工事に携わる技術者・作業者にフォーカスした動画です。

現在巴で限定公開中

〈3連アーチ移設編〉
  アーチ移設の概略手順をアニメーションで分かりやすく解説しています。

 3連のアーチ橋の移設は、3回に分けて実施しました。750tonクレーン2基による相吊架設での施工は、全国でも珍しい工事です。安全に移設工事を終えるため、発注者の栃木県安足土木事務所、風工学を専門とされる足利大学の山口敦教授、設計者の株式会社富貴沢建設コンサルタンツ、施工者の巴・東綱JVの4者施工調整会議が設置されました。風の影響、吊点位置と連結方法、吊上げ方法、クレーン誘導管理など諸項目の検討を行いました。

  • 〈工事概要〉
  • 施  主:栃木県 安足土木事務所
  • 施  工:巴・東綱特定建設工事共同企業体
  • 工  期:2024年4月30日~2025年7月23日
  • 主な工事:中央径間のアーチ橋3連の移設
    側径間の鋼単純箱桁橋2連の新設
  • 用  途:自転車道、歩道
  •  アーチ橋を750tonクレーン2基で相吊りするという前例の少ない挑戦は、私たちにとって技術者としての誇りと責任を改めて実感する貴重な経験となりました。この経験で得た知見と技術を今後の現場に生かし、より安全で確かなものづくりを通じて社会に貢献してまいります。