中央区明石小学校及び中央区明石幼稚園
概要
建設地は築地市場からほど近く、聖路加病院に近接している場所にあります。明治時代には外国人居留地として使用され、廃止後はミッションスクール等で使用されていた歴史ある土地柄です。
明石小学校は明治41年の創立で、建替え前の校舎は大正15年竣工のいわゆる復興小学校で築80年が経過しており、全国に広がる鉄筋コンクリート造の先駆けである、重要文化財にふさわしい条件を備えている貴重な建築物でした。しかし、建物の老朽化への対応はもとより、教室や体育館の狭さの解消など施設機能の更新が必要となった為に、今回改築工事が計画されました。
建物概要
発注者 | - |
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設計 | 中央区都市整備部営繕課、株式会社松田平田設計 |
元請 | 株式会社巴コーポレーション |
施工 | 巴・平井・ゼネラル建設共同企業体 |
構造・階数 | 鉄筋コンクリート造(一部PC) |
延床面積 | 9,997.17m2 |
建築面積 | 2,605,91m2 |
竣工年度 | 2010年 |
建設地 | 東京都中央区 |
施設概要
屋上プール
- 屋上(5F)
- オフシーズンにはプールに蓋をかけ、その上に人工芝を敷設して、小グランドとして使用する事が出来る
- 10m×25mの6コース
- ステンレス製
ランチルーム
- 4F
- 床:フローリング(カリン艶消し)
- 腰壁:シナ合板OSCL塗装
- 壁:ガラスクロスの上EP塗装
- 天井:岩線吸音板
オープンスペース
- 3、4F
- 小学校普通教室と一体なるスペース
- 床:フローリング(カバ)
- 腰壁:シナ合板OSCL塗装
- 壁:GBの上EP塗装
- 天井:岩線吸音板
小学校普通教室
- 3、4F
- 床:フローリング(カバ)
- 腰壁:シナ合板OSCL塗装
- 壁:GBの上EP塗装
- 天井:岩線吸音板
体育館
- 1F
- 床:フローリング(イタヤ)
- 壁:1Fジムウォール(タモ柾目)
- 2Fケイカル板の上EP塗装
- 天井:化粧吸音石膏ボード、化粧石膏ボード、一部アルミルーバー
昇降口
- 1F
- 床:御影石ジェットバーナー仕上
- 壁:塗壁
- 天井:ケイカル板EP塗装
- 建具:SUS製アルミキャスト格子
- 上部ステンドグラス
グランド
- 遊具(鉄棒、うんてい、砂場他)、防災井戸・防災トイレ
- ・80mトラック、50m直線
- ・ゴムチップ舗装の上熱交換塗装
付属棟
- 体育倉庫・トイレ
- 屋上:アスファルト防水の上押コン、屋上緑化+灌水システム
- 外壁:塗壁・一部タイル
旧校舎部材再利用
- ガス灯:既存再利用
- ベンチ座面:旧校舎階段石を再利用
工事を通した学校教育への協力
◆現場見学会
小学生による現場見学会を工事期間内に2回行いました。1回目は土工事。重機による掘削状況、ダンプへの土の積込み状況の見学です。小学生からは「土を持っていく場所」や「ダンプの土の積載量」等の質問がありました。2回目は仕上工事。自分たちの教室、オープンスペース、体育館等を見学し、みんなわくわくしていました。
◆絵画、歴史画像の展示・工事副読本の配布
現場仮囲いに小学生の絵画の展示、歴史プロムナードとして明石小学校が建つ土地の変遷、歴代の校舎の写真を展示しました。仮グランド面の仮囲いには工事の流れ、工事で使用する重機をイラストにして掲示しました。
また、"私たちの学校ができるまで"と題して、当社設計部長のイラストによる工事副読本を作成し、児童に配布しました。建物はどのように建ていくのか、明石小学校のエコスクールとしての特徴等をイラストを使って分かりやすく説明しました。最後には生き物の名前で呼ばれている建築用語を、クイズ形式にして記載しました。
雑誌掲載
学校・教育機関向けの雑誌「School Amenity」2013年5月号に掲載されました。
P8 | カラーグラビア |
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P25 | 施設の概要と特徴 |
P28 | INTERVIEW 子供達が誇りを持てる明石小学校 ●中央区立明石小学校 校長先生 地域を通して、人のつながりを育む ●中央区立明石小学校 前校長先生 |
P30 | 設計ノート 復興小学校の歴史を踏まえつつ、都心にあっても緑と風を感じるエコスクール ~体育館を内包し、小学校と幼稚園を一体化 ●(株)松田平田設計 関係者 |